展示会ブース設計というと、壁面のデザインや装飾から考えたくなるかもしれません。しかし、見た目とあわせて考えたいのが、来場者とスタッフの動きです。

入口・展示を見る場所・話を聞く場所を、無理なく移動できる配置にすることで、当日の案内を組み立てやすくなります。

この記事では、初めてブース設計を担当する方に向けて、動線を軸に配置を決める手順を紹介します。

ブースの背景面に使う装飾を検討している方は、こちらもご覧ください。

1.ブースで来場者にしてほしいことを決める

出展目的を来場者の行動に置き換える

まず、「新商品を知ってほしい」「実演を見てほしい」「具体的な相談をしてほしい」など、今回の目的を整理します。

そのうえで、商品を見る、試す、説明を聞く、資料を受け取るといった行動に置き換えましょう。必要な場所を具体的に考えやすくなります。

すべての来場者に同じ流れを求めない

短時間で概要を知りたい人と、詳しく相談したい人では、必要な案内が異なります。資料だけを受け取る人も移動しやすいように、展示と商談の場所を整理してください。

2.小間の条件から入口の位置を考える

通路に面する方向を確認する

小間の幅・奥行きとあわせて、どの面が通路に接しているかを確認します。会場全体の入口や周辺の配置も参考に、来場者が近づく方向を考えましょう。

来場者の流れは一方向とは限りません。正面だけでなく、左右から見たときにも入口が分かるかを確認してください。

入口付近にものを集めすぎない

カウンター、カタログ、展示商品を入口に集めると、スタッフや来場者が立ったときに通りにくくなることがあります。入口には、入る人と出る人が動ける場所を残しましょう。

必要な通路幅や設置条件は、小間の条件と主催者の規定を確認して決めてください。

入口に移動スペースを確保し奥の展示と商談席が見える展示会ブースの配置例|誉展示会

3.展示・実演・商談の場所を分ける

立ち止まる時間の違いを考える

短時間で見る商品展示と、一定時間その場にいる実演や商談では、必要なスペースが異なります。人が長くとどまる場所を、入口のすぐ前に重ねないようにしましょう。

実演を行う場合は、実演者だけでなく、見る人の位置も配置図に含めます。開始を待つ人がいる場合の案内方法も考えておきます。

商談中もほかの来場者を案内できる配置にする

商談スペースは、椅子を引く動作やスタッフが出入りする場所まで確認します。商談している人の間を通らないと展示に進めない配置になっていないかを見てください。

商品展示・実演・商談の場所を分けた展示会ブースのレイアウト例|誉展示会

4.背景装飾は展示を見る位置から考える

見せたい面と人が立つ場所を合わせて確認する

背景面に社名やサービス内容を表示する場合は、その前にスタッフや来場者が立った状態を想定します。重要な部分が隠れないか、展示商品との関係が分かるかを確認しましょう。

装飾本体の設置範囲を配置図に反映する

背景装飾は表示面だけでなく、脚や土台を含む寸法を確認します。照明付きのものは電源位置も考慮し、来場者が歩く場所との関係を見てください。

テンションファブリックなどを検討する場合も、商品ごとの設置寸法や組み立て方法を確認しながら配置を決めましょう。

5.スタッフの移動と収納場所も設計する

資料の補充や交代の動きを確認する

来場者の動線だけでなく、スタッフが受付と展示の間を移動する経路も確認します。資料を補充するたびに実演を横切るなど、運営しにくい配置を避けましょう。

荷物を置く場所を後回しにしない

補充資料、梱包材、スタッフの私物にも保管場所が必要です。通路や入口をふさがず、必要なものを取り出せる位置を決めます。

収納場所を確保した結果、予定した展示が収まらない場合は、展示数や備品を見直しましょう。ものを詰め込む前に、出展目的に必要なものを優先してください。

展示会ブースのカウンター背面の収納から配布資料を取り出すスタッフ|誉展示会

6.人がいる状態を想定して最終確認する

図面に来場者とスタッフの位置を加える

備品だけが描かれた図面では、実際より広く見えることがあります。展示を見る人、説明する人、商談する人の位置を書き加え、移動する経路が残っているかを確認しましょう。

  • 通路側から入口の位置が分かる
  • 受付に人がいても出入りできる
  • 実演を見る人が入口をふさがない
  • 商談中でもほかの展示へ移動できる
  • スタッフが資料を補充できる
  • 土台や配線を含めて移動経路を確認している
  • 主催者の設置条件や会場の規定を確認している

可能なら実際の寸法で歩いて確かめる

社内などで設置範囲を再現できる場合は、来場者役とスタッフ役に分かれて動いてみましょう。入りにくい場所や人が重なる場所があれば、配置を調整します。

床面を演出するアイテムを使う場合も、見た目とあわせて、段差や端部の処理、使用条件を確認してください。

床にテープで配置を示し展示台と商談席の間の動線を確認するスタッフ|誉展示会

展示会ブース設計は、来場者が何を見て、どこで話を聞き、どう移動するかから考えると整理しやすくなります。小間の条件と出展目的を確認し、人がいる状態を想定しながら配置を決めましょう。

配置が決まったら、背景面や床面に使う装飾を検討していきましょう。