展示会でブースが目立たないと感じたら、まず通路から見て「表示が隠れている」「文字が読めない」「何の展示か分からない」のどこに問題があるかを確認しましょう。原因によって、直すべき場所はパネルの向き、印刷内容、什器の配置などに分かれます。

正面から撮った完成写真ではきれいに見えても、通路を歩いて近づく人には、側面しか見えていない場合があります。開場前には読めた表示が、スタッフや来場者の立つ位置によって隠れることもあります。

この記事では、設営後・開場前の確認を中心に、ブースが目立たない原因を見つけ、表示や配置を見直す6つの手順を紹介します。次回出展に向けた印刷データの修正にも使える内容です。

本文の距離・人数・移動量は、確認方法を説明するための仮の例です。推奨寸法や業界共通の基準ではありません。実際の確認位置や変更内容は、会場の条件と出展規定に合わせてください。

1.展示会でブースが目立たない原因を3つに分ける

「もっと派手にする」の前に、何が届いていないかを確認する

最初に行うことは、「目立たない」という感想を、直せる問題に置き換えることです。担当者にブースの外から見てもらい、見えたもの・読めた言葉・理解した展示内容を確認します。

例えば、パネルの存在は分かるのに文字が読めない場合と、文字は読めるのに何の商品か分からない場合では、修正する内容が異なります。

ブースが目立たないときの原因の切り分け
確認できた状態 考えられる原因 最初に見直すこと
見せたい表示が見えない パネルの向きや、人・什器との重なり 通路から表示までの間に何があるか
表示は見えるが文字を読めない 文字の大きさ・太さ・背景との明暗差・反射 実際の距離と照明条件での読みやすさ
文字は読めるが展示内容が分からない 抽象的な表現や、同じ強さで並ぶ複数の情報 最初に伝える商品・用途が明確か

確認するときは、先に答えを説明しないことが大切です。「この言葉は読めますか」ではなく、「何と書いてありましたか」「何を展示していると思いましたか」と尋ね、実際に返ってきた言葉を残します。

また、通路を歩く人自体が少ない場合は、ブースの見え方だけで来場数を説明できません。通行量の問題と、通行する人から表示が見えていない問題を分けて考えましょう。

2.正面だけでなく、左右から近づいたときの見え方を確かめる

来場者が歩く位置から、同じ表示を追って見る

ブースの正面に立てば見える背面パネルでも、斜めから近づくと側面の壁や展示物に隠れる場合があります。確認する担当者は、実際に来場者が歩く通路に沿って移動し、どの位置で見出しや商品写真が見えるかを確かめます。

例えば、確認位置を「左から近づく位置」「正面」「右から近づく位置」の3か所に決めます。図面や写真に位置を残しておくと、配置を変更した後も同じ場所から確認できます。

左右から確認できない小間や、一方向からの来場が中心となる場所では、実際の通行経路を優先してください。確認や撮影は、搬入作業や通行を妨げない時間と場所で行います。

写真は配置の記録に使い、読みやすさは目でも確認する

確認写真を撮るときは、撮影位置・高さ・ズームをそろえます。変更後だけ近づいたり、拡大したりすると、配置を直した効果と撮影条件の違いが混ざってしまいます。

記録する内容は、例えば「右側からは商品名の前半が側面パネルに隠れる」「正面では読めるが左側からは文字が細く見える」と具体的にします。写真だけでは細かな文字や明るさを正確に判断しにくいため、現地で目視した結果も添えましょう。

側面への表示追加やパネルの向きの変更を検討する場合は、主催者の出展規定と設置方法を確認します。通路にはみ出させたり、隣接ブースの表示を遮ったりして解決しないようにしてください。

開場前の通路から展示会ブースの表示を確認する担当者|誉展示会

パネルやカウンターの配置案を検討するときは、誉展示会の展示会ブース3Dシミュレーターもご活用ください。細かな文字の読みやすさや、会場での照明の見え方は実物で確認しましょう。

3.遠くで読む情報と、近くで読む情報を分ける

すべての説明を大きなパネルに載せない

通路から商品名を読んでもらいたいのに、仕様や特徴を同じ大きさで並べると、最初に見てほしい情報が分かりにくくなります。表示には、読む位置に応じた役割を持たせましょう。

例えば、「ブースから5m・3m・1m程度の位置」を確認地点に設定する方法があります。これは確認の進め方を示す仮の例であり、どの会場でもこの距離を確保するという意味ではありません。

距離に応じて表示の役割を分ける仮の例
確認する位置 確認したいこと 表示する内容の例
離れた位置:5m程度 何を扱うブースか分かるか 商品分野・用途を表す見出し
近づいた位置:3m程度 どの商品に注目すればよいか分かるか 主な商品写真・展示している内容
展示を見る位置:1m程度 商品を確かめるための説明を読めるか 型番・寸法・使用条件などの説明カード

例えば、店舗向けの照明器具を展示する場合、「新しい空間づくりへ」という表現だけでは、何を扱うブースか分からない可能性があります。「店舗向け照明器具」のように商品分野を示し、近くに「点灯見本を展示」と添えると、会場で確認できる内容を伝えられます。実際に提供できる展示内容に合わせて表現してください。

印刷前には、見出しの一部を実寸で確認する

パソコン画面で拡大して読めても、会場の距離で読めるとは限りません。次回の印刷を準備する際は、主な見出しを実際の大きさで出力し、予定する距離から確認します。

大型パネル全体を試し刷りできない場合は、見出しの一部を実寸で出す方法もあります。文字の大きさだけでなく、細い線が残るか、写真の上に置いた文字が背景に埋もれないかも確認してください。

紙への試し刷りは、文字の大きさや配置の確認に使います。布への印刷色や、内照式パネルを点灯したときの発色まで同じになるとは限りません。

壁に貼った実寸の見出しを離れた位置から確認する担当者|誉展示会

4.スタッフと接客相手が立った状態で、隠れる場所を探す

無人の完成写真だけでは判断しない

開場前に表示が見えていても、接客が始まると人の体で商品名や写真が隠れることがあります。什器を並べた状態に加え、実際の接客位置に人が立った状態でも確認しましょう。

例えば、スタッフ1名と接客相手役1名の計2名で、普段どおり商品を説明する姿勢を再現します。別の担当者が通路側から見て、商品名・主な写真・展示商品がどこまで見えるかを確認します。人数は、当日の運営に合わせて増減してください。

  • スタッフが説明するたびに、主な見出しを隠していないか
  • 接客相手が立つと、ほかの人から展示商品が見えなくならないか
  • モニターやカタログスタンドが、背面の重要な言葉に重なっていないか
  • パンフレットの積み重ねで、商品や説明カードが隠れていないか

移動する量を決め、1か所ずつ確かめる

隠れている原因が見つかったら、スタッフの立ち位置や什器の位置を1か所ずつ変えます。仮の例として、カタログスタンドを小間内で30cm横へ移動し、同じ確認位置から見直す方法があります。

30cmは推奨する間隔ではありません。実際には、什器の脚、配線、出入りに必要な空間を含めて移動できる範囲を確認します。パネルの高さや構造を変える作業は、その場の判断で行わず、対応する仕様と会場条件を確かめてください。

表示を上へ移すと遠くから見えやすくなる場合もありますが、近くで読む詳しい説明まで上げると確認しにくくなります。背面の見出しと、手元の説明カードで役割を分けましょう。

背面表示と展示商品を遮らない位置で接客を練習する二人の担当者|誉展示会

5.点灯後に、文字と背景の見分けやすさを確認する

明るさだけでなく、反射や影も見る

照明を追加する前に、何が読みにくくなっているかを確認します。文字と背景の色が近い場合、明るくするだけでは見分けにくさが残ることがあります。写真の細かな模様の上に文字が重なっている場合も、背景の整理が必要です。

点灯後は、正面と斜めの両方から確認します。説明カードの表面が反射していないか、スタッフの影で文字が隠れないか、商品が明るい背景に埋もれていないかを見ましょう。

写真ではカメラが自動で明るさを調整するため、実際より明るく見えたり、発光面だけが白く写ったりする場合があります。撮影結果は記録として使い、読みやすさの判断は現地での目視と合わせて行います。

表示を変えるのか、什器を変えるのかを分けて考える

誉展示会のセゴライトボックスは、内蔵LEDでスクリーンを照らす展示会用バックパネルです。発光する表示面を使いたい場合の選択肢になります。一方で、文字が細かすぎる、重要な表示が人に隠れるといった問題は、印刷内容や配置も併せて見直す必要があります。

テンションファブリックは、アルミフレームに布製グラフィックを取り付ける展示会装飾です。表示面の形状や設置場所を検討する際は、テンションファブリックの商品一覧も確認できます。

すでに対応する什器を使用していて、主な問題が見出しの大きさや情報量にある場合は、交換用グラフィックで修正できるかを確認しましょう。手持ちのフレームに対応するサイズ・仕様を確かめたうえで検討してください。

内照式の表示面や交換用スクリーンを検討する方は、セゴライトボックスの商品構成をご確認ください。

点灯した展示商品の横で説明カードを確認する担当者|誉展示会

6.変更前後を同じ位置で確認し、直す場所を絞る

「良くなった」ではなく、何が見えるようになったかを残す

パネルの向き、見出し、什器、照明を一度に変えると、どの変更が見え方に関係したか分かりにくくなります。まずは原因に対応する1か所を修正し、変更前と同じ位置で確認します。

記録には、確認位置・問題・変更内容・再確認した結果を残します。以下は進め方を示す仮の例であり、実際の改善実績ではありません。

見え方の修正を記録する仮の例
確認位置・状態 見つかった問題 変更すること 再確認する内容
右から近づく位置 商品名がカタログスタンドに隠れる スタンドを小間内で横へ移動する 商品名全体が見え、出入りも妨げないか
正面の離れた位置 背景写真に見出しが埋もれる 次回印刷で見出しの背景部分を整理する 同じ距離で見出しを読めるか
接客中の通路側 スタッフの体で主な商品写真が隠れる 説明する立ち位置を変更する 説明中も写真と実物が見えるか

開場前には、次の項目を確認しておきましょう。

  • 実際の通行方向から、主な見出しを見つけられる
  • 予定した確認位置で、商品分野や用途を読み取れる
  • スタッフと接客相手が立っても、重要な表示が隠れない
  • 点灯後も、反射や影で説明が読めなくなっていない
  • 配置変更によって、出入り・設置の安定性・配線に問題が生じていない

見出しが読めるようになったことと、来場者が増えたことは分けて評価します。会期中の立ち寄り人数を見る場合は、通行量や時間帯、スタッフの声かけなども記録し、表示の変更だけが成果の原因だと決めつけないようにしましょう。

誉展示会では、ヒアリングを通じて空間から平面までのデザイン制作を案内しています。「もっと目立たせたい」という要望に、確認位置の写真と、読めなかった言葉・隠れていた部分を添えると、修正したい内容を具体的に伝えられます。

展示会でブースが目立たないと感じたら、まず通路に出て、見せたい情報がどこで見えなくなるかを確かめましょう。原因を分けて確認することで、配置の調整で対応する部分と、次回の印刷で直す部分を整理できます。

確認した課題をパネルやブースのデザインへ反映したい方は、誉展示会のデザイン制作をご覧ください。