展示会フォローアップは、お礼メールを送るだけでなく、会場で聞かれたことに答え、相手が次の検討に進める情報を届けることが大切です。まず約束した回答と期限を確認し、来場者が見た商品や展示と結び付く資料を選びましょう。

「名刺交換はできたのに、その後の連絡が続かない」「総合カタログを送ったが返信がない」という場合は、送信する件数だけでなく、何を届けているかを見直す必要があります。

この記事では、展示会後の初回連絡、資料の選び方、お礼メールの文例、返信がない場合の対応までを6つの手順で紹介します。会場での接客記録を引き継いだ後、どのように対応するかに絞って解説します。

(本文の日数・件数・割合は、進め方を説明するための仮の例です。業界平均や、成果を保証する基準ではありません。)

1.展示会フォローアップは「約束したこと」から着手する

お礼・資料送付・個別回答を分けて考える

展示会フォローアップとは、会場で接点を持った相手に、資料提供や質問への回答などを行い、その後の検討を支える活動です。相手によって必要な対応は異なるため、全員に同じ商談案内を送る前に、会場で何を約束したかを確かめます。

例えば、「寸法図を送ってほしい」と言われた人には寸法図が必要です。「来月以降に検討する」と話していた人には、希望する時期に合わせた連絡が適しています。会話が長かったかどうかだけで、対応の優先順位を決めないようにしましょう。

会場での約束に合わせた初回対応の例
会場で確認できたこと 最初に行う対応 期限の決め方
資料や見積もりを送る約束がある 必要な内容をそろえて送付する 相手と約束した期限を優先する
持ち帰って確認する質問がある 確認中の内容と回答予定日を伝える 社内の確認担当者と調整する
後日の連絡時期を指定されている 希望時期と連絡方法を予定に登録する 相手が指定した時期に合わせる
情報収集が目的で、資料送付を希望している 関心のあった内容の資料を案内する 希望を確認したうえで社内の対応期限を決める

回答に時間がかかる場合も、連絡を止めない

運用を決める仮の例として、「資料送付を希望した人には、翌営業日までに初回連絡をする」という社内ルールが考えられます。ただし、相手が希望する日程や、すでに約束した期限があれば、そちらを優先します。

仕様の確認や見積もりに時間がかかるときは、すべての回答がそろうまで待つ必要はありません。「確認している項目」「回答予定日」を先に伝えます。期限に間に合わないと分かった場合も、期限前に状況を共有しましょう。

接客内容や引き継ぎ情報が不足している場合は、会期後の連絡を始める前に、記録の残し方も確認しておきましょう。

2.会場で見た展示と、送る資料を結び付ける

展示会名・商品名・話した内容をそろえる

相手は、会社名だけでは会場での説明を思い出せないかもしれません。最初の連絡には、展示会名に加えて「どの商品について、何を話したか」を短く添えます。

例えば、「当日ご覧いただいた収納製品について」よりも、「当日ご覧いただいた収納製品Aについて、ご質問のあった棚内寸の資料をお送りします」と書くと、資料を送った理由が伝わります。会話の記録がない内容を、覚えているように書くことは避けましょう。

会場のパネル・配布資料・送付するPDFで商品名や型番が違うと、同じ商品か判断しにくくなります。略称を使った場合は、正式名称との対応を記載してください。

ブース写真は、会話を思い出す補助として使う

自社で使用できるブース写真がある場合は、初回メールや資料の冒頭に1枚添える方法があります。商品がどの位置に展示されていたかが分かる写真なら、会場で見たものと資料を結び付ける助けになります。

ただし、写真だけに説明を任せず、商品名と相談内容は文章でも書きます。メールで画像が表示されない場合でも、内容が伝わるようにしてください。

写真は、自社が使用できるものを選びます。来場者の顔や他社の展示など、掲載・送付の可否が確認できていない部分は含めないようにしましょう。生成したブース画像を、実際の出展写真として送ることも避けてください。

商品とパンフレットを配置した開場前の展示会ブースを撮影する担当者|誉展示会

3.総合カタログに加え、質問に答える資料を選ぶ

資料の多さより「どこを見れば分かるか」を明確にする

総合カタログは商品全体を知ってもらうために使えますが、個別の疑問への回答が見つけにくい場合があります。相手の質問に対応するページや図を示し、確認してほしい箇所を案内することが大切です。

最初の送付資料を整理する例として、「会場で見た商品の写真」「質問への回答」「適用条件」の3項目を1枚にまとめる方法があります。詳しい仕様書が必要な場合は別途添え、要約だけで条件を省略しないようにします。

会場での質問と送付資料の組み合わせ例
相手が知りたいこと 送る資料 添える説明
設置場所に収まるか 寸法図・必要な周辺スペースの説明 本体寸法と、使用時に必要な空間の違い
自社の用途に対応できるか 対応条件・制限事項・関連する使用例 確認できている条件と、追加確認が必要な条件
候補の違いを比較したい 比較項目をそろえた一覧 比較した条件と、判断に影響する違い
社内で説明したい 用途・特徴・確認事項をまとめた概要資料 会場に来ていない人にも伝わる商品説明

例えば寸法を聞かれた場合、外寸だけで足りるとは限りません。収納する物の寸法、設置場所の幅、扉を開ける空間など、相手が判断したい内容に合わせて必要な情報を選びます。確認できていない条件は、使用できると断定せず、未確認であることを明示してください。

資料には作成日や版番号を付け、どの版を送ったかを記録します。ダウンロード用リンクを使う場合は、社外から開けるか、閲覧期限が短すぎないかも送信前に確認しましょう。

展示商品の写真と寸法図を並べて送付資料を確認する担当者の手元|誉展示会

4.お礼メールは「会話・回答・次の確認」の順で書く

資料送付を約束した相手への文例

メールでは、お礼に続けて会場の会話と回答内容を示し、必要な場合だけ次の確認を依頼します。商談予約・アンケート・別商品の紹介を一度に求めると、何に答えればよいか分かりにくくなります。

以下は、寸法図の送付を依頼された場合の文例です。角括弧の部分を実際の内容に置き換え、会話の記録に合う文章だけを使用してください。

件名:【[展示会名]】ご依頼の[商品名]寸法図をお送りします

[会社名][お名前]様

[展示会名]では、弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。[自社名]の[担当者名]です。

当日ご覧いただいた[商品名]について、ご依頼の寸法図をお送りします。[資料名]の[該当ページ]に、本体寸法と使用時に必要なスペースを記載しています。

お話にあった[使用場所・用途]への設置可否は、[未確認の条件]を確認したうえでご案内いたします。差し支えなければ、[必要な情報1点]をお知らせいただけますでしょうか。

[資料の添付案内、または実際の閲覧URL]

どうぞよろしくお願いいたします。

[署名]

資料を渡すだけで約束が完了する場合は、質問を無理に追加する必要はありません。「追加で確認したい点がございましたら、このメールへご返信ください」と締める方法もあります。

回答がまだそろわない場合の文例

社内確認に時間がかかる場合は、お礼だけで終わらせず、何を確認しているかを具体的に伝えます。

件名:【[展示会名]】[ご質問の内容]の確認状況について

[会社名][お名前]様

[展示会名]では、[商品名]についてご相談いただき、ありがとうございました。[自社名]の[担当者名]です。

ご質問の[確認事項]について、現在[確認している内容]を担当部署に確認しています。[月日]までに回答予定です。

先にご案内できる[確認済みの情報]をお送りします。なお、[未確認の条件]については、確認が完了するまで対応可否を確定できません。

[資料の添付案内、または確認済みの回答]

お待たせいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

[署名]

送信前には、宛名・商品名・添付資料・回答予定日を照合します。過去の文例を流用するときは、別の相手の相談内容が残っていないかも確認してください。

ノートパソコンのメールと添付資料を照合する担当者|誉展示会

5.返信がないときは、未解決の内容を確かめる

資料送付だけで完了する連絡と、返答が必要な連絡を分ける

返信がないことだけで、関心がないとは判断できません。資料を受け取って社内で確認している場合や、返信を求められていないと受け止めている場合も考えられます。

まずは、自分が送ったメールを読み返しましょう。質問が明確だったか、資料を開ける状態だったか、相手が希望する検討時期より前ではないかを確認します。資料送付だけの約束なら、お礼の返信を求めるためだけに催促する必要はありません。

返答が必要で、再連絡の時期を決めていない場合の仮の運用例として、「初回送付から5営業日後に1回、確認事項を絞って連絡する」という方法があります。この日数や回数を一律の正解とせず、相手の希望と用件に合わせて調整してください。

  • 前回のメールと同じ話題であることが分かる件名にする
  • 返答してほしい確認事項を1つに絞る
  • 追加情報がある場合は、何が増えたかを明記する
  • 検討時期が先なら、希望する時期まで連絡を待つ
  • 連絡不要の意思が示されたら、担当者間で共有して対応を止める

電話は、相手が希望する連絡方法と用件に合わせる

電話を使う場合も、単にメールを読んだか尋ねるだけでなく、「設置条件を1点確認したい」など用件を明確にします。最初に話せる状況かを確認し、難しければ希望する連絡方法や時間を尋ねましょう。

すぐに商談を進めない相手には、希望が確認できた範囲で情報を提供します。資料送付の依頼を、定期的な案内すべてを希望しているという意味に置き換えないことも大切です。

6.送信件数だけでなく、回答完了と次の相談を確認する

お礼を送った件数と、約束を果たした件数を分ける

フォローアップの振り返りでは、送信件数だけでなく、依頼された資料や回答を届けられたかを確認します。確認中の連絡を送っていても、回答が未完了なら未対応事項として残しておきましょう。

以下は、初回の資料送付・回答が必要な20名を対象に、集計日を決めて確認した仮の例です。同じ人へ複数回メールを送っても、人数は1名として数えています。

初回フォローアップの進捗を確認する仮の集計例
確認項目 人数 人数に含める条件
初回の資料送付・回答が必要な人 20名 今回の集計対象
初回に約束した対応が完了した人 16名 初回の依頼事項をすべて回答・送付済み
確認中の項目が残っている人 4名 進捗連絡を送っていても未完了として扱う
次の打ち合わせが決まった人 5名 双方で日時と相談内容を確認済みの人
(この5名は集計対象の20名に含まれます。
日程候補を送っただけで、相手から了承を得ていない人は含めません。)

この例の初回対応完了率は「16名÷20名×100=80%」です。打ち合わせが決まった5名は同じ20名の内数であり、完了・未完了の人数に足し合わせません。また、日程候補を送っただけの段階は、打ち合わせ決定に含めないようにします。

割合を比較するときは、集計対象と経過日数をそろえます。対応が完了していても、資料の内容が適切だったとは限らないため、追加質問や修正依頼も併せて確認してください。

繰り返し届く質問を、次回の展示表示へ反映する

フォローアップで同じ質問が繰り返される場合は、次回の展示や資料を見直す材料になります。例えば、送付資料のどの商品が会場で見たものか分からないという問い合わせがあれば、パネル・配布資料・PDFの商品名や写真のそろえ方を確認します。

一方、設置条件など個別確認が必要な質問まで、壁面パネルにすべて載せる必要はありません。遠くから見る表示には用途や商品名を、手元の資料には詳細条件を載せるなど、情報の役割を分けましょう。

展示パネル案と配布資料の商品名や写真を照合する二人の担当者|誉展示会

誉展示会では、ヒアリングを通じて空間から平面までのデザイン制作を案内しています。次回の出展に向けて表示を見直す場合は、「どの説明が伝わらなかったか」「どの商品が資料と結び付かなかったか」を整理して相談すると、修正する箇所を具体的に伝えられます。

また、セゴライトボックスを使用している場合は、セゴライトボックスの交換用印刷スクリーンも確認できます。既存フレームに対応するサイズや注文内容を確認したうえで、表示の更新を検討してください。

展示会フォローアップは、会場での会話と、送付する回答・資料をつなぐ取り組みです。まずは未回答の質問を確認し、相手が次の判断をするために必要な情報を届けましょう。

会期後に分かった課題を、次回のパネルやブースの見せ方へ反映したい方は、誉展示会のデザイン制作をご確認ください。