展示会でリード獲得が難しいと感じたら、まず「来場者と接点を持てない」「連絡先が残らない」「相談内容を引き継げない」のどこで止まっているかを確認しましょう。原因によって、見直すべき表示・接客・記録の方法が変わります。

リードとは、自社の商品やサービスの見込み顧客となる相手のことです。展示会では名刺交換やフォーム入力などを通じて接点を残しますが、連絡先だけでは、相手が何を知りたかったのかまでは分かりません。

この記事では、会場での接点を次の相談につなげるために、案内表示、連絡先の受け取り方、会話の記録、担当者への引き継ぎを6つの手順で整理します。

本文の人数・件数・割合・記録例は、考え方を説明するための仮の例です。業界平均や成果を保証する数値ではありません。

1.展示会でリード獲得が難しい原因を、止まっている段階で分ける

名刺の枚数だけでは、直す場所を判断できない

「リードが少なかった」という結果だけで、装飾や声かけを一度に変えると、何が問題だったのか分からなくなります。まずは、会場で起きていた状況を次のように分けてください。

リード獲得で止まっている段階と、最初に確認すること
会場での状況 確認すること 見直す場所
立ち寄る人が少ない 対象となる来場者がいるか、何の展示か伝わるか 出展先・事前告知・通路側の表示
会話はできるが連絡先が残らない 連絡先を受け取る目的と、会期後に提供する内容を伝えているか 接客の終わり方・受付方法
名刺はあるが相談内容が分からない 名刺情報と会話のメモが結びついているか 記録項目・入力のタイミング
相談内容はあるが対応が進まない 次にすること、担当者、期限が決まっているか 引き継ぎ方法・対応状況の管理

来場者が対象業種と合っていない場合は、当日の接客だけでは解決できません。出展先の来場者層や、告知する相手から見直します。一方、対象となる人と会話できているなら、連絡先の受け取り方や記録の流れを優先して確認しましょう。

立ち寄る人を増やす施策から整理したい場合は、展示会集客方法の選び方も参考にしてください。

2.連絡先を受け取った後に、何を届けるかを決める

来場者にとっての次のメリットを具体的にする

名刺交換をお願いする前に、相手が求めている情報と、会期後に提供できるものを合わせます。「後日ご連絡します」だけでは、何のための連絡か伝わりません。

例えば、取り付け条件を気にしている人には仕様資料、用途に合うか迷っている人には該当する使用例、具体的な導入を検討している人には個別相談の案内が考えられます。実際に用意できる内容を提案してください。

  • 「先ほどの取り付け条件が分かる資料を、お送りしましょうか」
  • 「お使いになる場所に近い使用例を確認して、ご案内しましょうか」
  • 「詳しい寸法を確認する打ち合わせをご希望ですか」

相手が希望する内容を確認してから、その対応に必要な連絡先を受け取る流れにします。資料だけを見たい人に、個別相談への申し込みを求める必要はありません。

ブースの表示にも「仕様資料の送付受付」「導入条件の相談」など、受け付けている内容を記載すると、来場者が用件を伝えやすくなります。無料・有料、予約の要否などの条件がある場合は、案内と実際の対応をそろえましょう。

スニーカーの展示会ブースで商品資料を示して来場者の希望を確認するスタッフ|誉展示会

3.名刺・読み取り・フォームの受付方法を整える

登録の重複と、途中で離れる原因を減らす

連絡先の受け取り方には、名刺交換、主催者が提供する来場者バッジの読み取り、入力フォームなどがあります。利用できる方法や取得できる情報は展示会ごとに異なるため、主催者の案内と使用する仕組みを確認してください。

例えば、名刺を渡した後に同じ会社名・氏名・メールアドレスをフォームへ再入力してもらう運用では、来場者の手間が増えます。名刺から登録する情報と、その場で尋ねる相談内容を分けられないか検討しましょう。

フォームを使う場合は、項目数だけでなく「この回答がないと、約束した対応ができないか」で必須項目を判断します。資料送付の受付と、見積もり相談の受付では必要な情報が違います。

  1. 何を受け付けるフォームなのか、見出しで伝える
  2. その対応に必要な情報を確認し、必須項目を決める
  3. 入力後に受付完了が分かる画面を用意する
  4. スタッフ側でも情報を確認できるか試す
  5. 通信不良や入力できない場合の代替方法を決める

QRコードを掲示するなら、実際の印刷物と複数のスマートフォンで読み取りを試します。読み取りから送信完了まで進め、照明の反射、置く位置、通信状況も確認してください。

受け取る情報の利用目的を分かるように案内し、希望された連絡内容も記録します。資料送付の希望と、継続的な案内の希望は分けて確認すると、会期後の対応を決めやすくなります。

壁面の棚にスニーカーを展示した点灯中のライトボックスブースで受付フォームを確認する担当者|誉展示会

4.連絡先に、会話を引き継ぐための情報を添える

聞き取りは3つの軸から始める

連絡先が残っていても、「興味あり」「反応が良かった」だけでは次の担当者が対応を決めにくくなります。まずは使用場面・確認したい条件・希望する次の対応の3つを軸に、会話で分かったことを残しましょう。

接客で確認する内容と記録の仮の例
確認する軸 聞き方の例 残す情報の例
使用場面 「どの場所・作業での使用を想定されていますか」 店舗入口で使用予定。現在は置き場所を検討中
確認したい条件 「選ぶ際に、まだ確認が必要な点はありますか」 設置に必要な奥行きを知りたい
希望する次の対応 「寸法資料の送付と個別相談では、どちらをご希望ですか」 まず寸法資料をメールで希望。電話連絡は不要

3項目すべてを、その場で埋めなければならないという意味ではありません。情報収集の段階なら「使用場所は未定」と残し、確認していないことは「未確認」と区別します。予算や導入時期も、相談を進めるうえで必要になった段階で確認しましょう。

メモには、対応したスタッフ名と、名刺情報や登録データに結びつく管理番号も付けます。紙の記録とデジタルの連絡先が別々になる場合は、同じ番号で照合できるようにしてください。

「来月導入予定」と本人が話したことと、「急いでいそう」というスタッフの印象は別の情報です。相手の発言と担当者の推測を分けると、引き継ぎ時の誤解を防ぎやすくなります。

記録は接客後に行い、長い会話の場合は相手に一言伝えて要点をメモします。名刺や入力画面を、ほかの来場者から見える状態で放置しないようにしましょう。

5.受付・相談・記録が重ならない配置にする

什器を増やす前に、立つ場所と作業する場所を決める

接客と記録の流れは、ブースの配置にも影響します。カウンターの上が配布資料やノベルティで埋まっていると、名刺を受け取ったり、タブレットを操作したりする場所がなくなります。

まず図面に「短い案内をする場所」「詳しく話す場所」「スタッフが記録する場所」を書き込みます。小さなブースでは、それぞれに専用の机を置く必要はありません。同じカウンターでも、来場者側とスタッフ側で使う範囲を分ける方法があります。

  • 受付:来場者が用件を伝えられ、入力や名刺交換を行えるか
  • 相談:受付待ちの人や見学者の移動を妨げずに話せるか
  • 記録:スタッフが入力でき、名刺や画面が外から見えにくいか
  • 待機:混雑しても、共有通路へ列や荷物がはみ出さないか

装飾は、それぞれの場所の役割が伝わるように使います。例えば、遠くから見る背景には展示の対象と相談内容、受付の近くには資料送付や相談の申し込み方法を表示します。細かな入力手順まで背景面に詰め込まず、読む場所に合わせて情報を分けてください。

背景の表示には、内蔵LEDでスクリーンを照らすセゴライトボックスや、布製グラフィックをフレームに取り付けるテンションファブリックが選択肢になります。光の使い方や必要な形状に合わせて検討しましょう。

展示と相談の場所を床の色や柄でも分かりやすくしたい場合は、床装飾のフロリアも確認できます。ただし、色分けだけに頼らず案内表示を併用し、床端部や段差、移動のしやすさを確認してください。

どの装飾を使う場合も、設置しただけでリードが増えるわけではありません。何を受け付ける場所なのか、担当者がどこにいるのかが伝わることを優先します。

スニーカーを印刷したライトボックスが点灯する展示会ブースで来場者を案内するスタッフ|誉展示会

配置を検討する際は、誉展示会の3Dシミュレーターで、小間数とアイテムを選び、さまざまな角度から確認できます。入力時の姿勢や文字の読みやすさは、実物でも確かめましょう。

6.次の対応・担当者・期限をそろえて引き継ぐ

見込み度の印象より、約束した対応を優先する

引き継ぎでは、「関心が高そうな人」といった印象だけで振り分けず、相手が希望した対応を起点にします。

  • 具体的な相談を希望:相談内容を確認し、対応する担当者と日程調整の方法を決める
  • 資料送付を希望:必要な資料名、送付方法、約束した期限を残す
  • 情報収集のみ:今後の案内を希望するか確認し、希望に沿って対応する
  • 連絡を希望しない:その意向を記録し、ほかのスタッフにも共有する

社内の記録には「次にすること」「担当者」「期限」「未対応・対応中・完了」の欄を用意します。送付が終わっても返信待ちなら、その状態を残すと、別の担当者が重ねて連絡することを避けやすくなります。

引き継げない記録を数え、翌日の運営を直す

仮に、重複を除いた連絡先が60人分あり、そのうち希望された次の対応を記録できた人が24人だったとします。この場合、記録できた割合は「24÷60×100=40%」です。これは記録状況を示す値であり、商談化率や受注率ではありません。

残る36人をすべて「見込みが低い」と判断してはいけません。「連絡不要と確認した人」「次の対応をまだ尋ねていない人」「聞いたが記録を忘れた人」を分けます。改善が必要な場所がそれぞれ違うためです。

例えば、資料送付の希望は分かるのに資料名が残っていないなら、記録欄に資料名の選択肢を追加します。受付が混んで入力が抜けたなら、入力項目やスタッフの担当を見直します。数値は担当者を評価するためだけでなく、記録が抜ける理由を探すために使いましょう。

商談や受注まで含めた成果の追い方は、展示会の効果測定が難しい理由とは?商談・受注・ROIを追う6つの手順で詳しく紹介しています。

スニーカー展示会のブースで相談記録と次の対応を確認する二人のスタッフ|誉展示会

次回の準備では、まず1件の接客を想定し、案内表示を見るところから資料送付の引き継ぎまで通して試してみてください。来場者が迷う場所と、スタッフが記録できない場面を見つけることで、直すべき表示・受付方法・配置が具体的になります。

誉展示会では、ヒアリングを通じた空間・平面のデザイン制作をご案内しています。受付や相談場所を分かりやすく整えたい場合は、必要な接客の流れをまとめたうえで、デザイン制作と展示会実績をご確認ください。