展示会でノベルティを配っても、商品への関心や商談につながらない。「数は配れたのに効果がない」と感じたときは、品物の種類だけでなく、どこで、いつ、どのように渡しているかを見直してみましょう。
配布場所が商品展示をふさいでいたり、スタッフが袋詰めや補充に追われていたりすると、来場者と話す機会を逃している可能性があります。
この記事では、ノベルティの商品選びではなく、展示会ブースでの配布場所・渡し方・案内表示・在庫管理に絞り、改善のポイントを6つ紹介します。
本文に登場する時間や数量は、準備の考え方を示すための仮の例です。業界平均や成果を保証する数値ではありません。掲載画像は配置や運用を説明するためのイメージです。
1.「効果がない」を、配布数と出展目的に分けて考える
配れた数だけでは、出展の成果は分からない
ノベルティが予定どおりになくなっても、それだけで商品への理解が深まったとは判断できません。反対に、配布数が少なくても、自社の商品を必要とする来場者と具体的な相談ができた場合があります。
まず、今回の出展で何を目指すのかを決め、その目的に合った記録を残しましょう。
| 出展目的 | 確認する記録 | 判断するときの注意点 |
|---|---|---|
| 会社や商品を知ってもらう | 事業内容を案内できた人数 | 案内しただけでは、記憶に残ったかまでは分からない |
| 商品を体験してもらう | 実演や見本の確認に参加した人数 | 体験した人数と、購入を検討する人数は分けて考える |
| 具体的な相談につなげる | 用途や導入条件を確認できた相談件数 | ノベルティの受け取りを、相談や連絡の希望とみなさない |
「配布数」と「目的に近づいた行動」を別々に記録すると、見直す場所が分かりやすくなります。例えば、配布はできているのに商品案内ができていないなら、品物を変える前に、受け渡し場所や声のかけ方を確認する余地があります。
2.配布場所が、展示を見る場所をふさいでいないか確認する
受け渡し・商品確認・説明の場所を整理する
ノベルティを受け取る人と、商品を詳しく見たい人が同じ場所に集まると、展示が見えにくくなったり、説明の途中で人の出入りが増えたりします。
ブースの図面上で、次の3つの場所を確認してみましょう。
- ノベルティを受け渡す場所
- 商品や見本を確認する場所
- スタッフが説明や相談に対応する場所
必ず3台の什器を置くという意味ではありません。小さなブースなら、カウンター上の置き場所を分ける、受け渡しのタイミングを調整するなど、運用で整理する方法もあります。
配布用カウンターを入口付近に置く場合は、受け取る人が立った状態を想定します。カウンターの寸法だけでなく、人が立つ場所や荷物を持ち替える場所も含めて、ブースへの出入りを妨げないか確認してください。
通路にはみ出した配布や待機列を前提にせず、主催者の出展規定に沿って小間内で対応できる配置を考えましょう。
配置を考える段階では、正面からの見え方だけでなく、左右から近づいたときの入口や、スタッフの立ち位置も確認しておくと検討しやすくなります。
3.渡すタイミングと、配布条件をそろえる
説明の前後で、ノベルティの役割を決める
ノベルティは、説明前に渡す方法も、実演や説明の後に渡す方法もあります。どちらか一方が、すべての展示会で効果的とは限りません。
大切なのは、来場者にどのような体験をしてほしいのかと、渡すタイミングを合わせることです。
| タイミング | 考えられる役割 | 確認すること |
|---|---|---|
| 最初の案内時 | 会社や商品を紹介するきっかけにする | 受け渡しだけで終わらず、事業内容を短く伝えられるか |
| 実演・体験の後 | 参加のお礼として渡す | 参加条件と所要時間を、始める前に伝えているか |
| 説明や相談の終了時 | 資料と一緒に持ち帰ってもらう | 資料の内容や確認先が分かる状態になっているか |
アンケートへの回答など、配布に条件がある場合は先に案内します。「受け取れると思ったら、後から条件を追加された」という状態を避け、スタッフ間で説明をそろえましょう。
また、ノベルティを受け取ったことと、詳しい商談や会期後の連絡を希望していることは別です。その場の会話で関心や希望を確認し、無理に相談へ進めないことも大切です。
4.ノベルティよりも、事業内容が伝わる表示を用意する
背景パネルと配布案内の役割を分ける
ブースで「プレゼント配布中」という案内ばかりが目立つと、何を扱う会社なのかが伝わりにくくなる場合があります。
大きな背景パネルでは事業や商品の用途を伝え、配布条件などの細かな案内は受け渡し場所で補うと、情報を整理しやすくなります。
- 背景パネル:どのような商品・サービスを扱っているか
- 商品付近の表示:用途や確認してほしい特徴
- 配布場所の案内:対象者、配布条件、数量に限りがある場合の案内
例えば、工業部品を扱う会社なら、背景には商品写真や使用場面を示し、ノベルティはカウンター上にまとめる方法があります。品物の置き場所を絞ることで、背景の事業紹介と受け渡し場所を分けて考えられます。
セゴライトボックスを背景装飾に使用する場合も、光らせることだけを目的にせず、来場者に何を伝える面なのかを決めてデザインします。商品写真を大きく見せる面と、短い説明を載せる面を整理すると、制作時に情報の優先順位を決めやすくなります。
持ち帰り用のカードなどにQRコードを載せる場合は、「製品の使用例を見る」「仕様を確認する」など、移動先で確認できる内容も添えましょう。アクセス数を記録しても、それだけで商談につながったとは判断せず、その後の問い合わせなどと分けて確認します。
5.配布作業と在庫補充に使う時間を見積もる
受け渡しの小さな作業も、積み重なると時間になる
ノベルティの準備では、数量や単価に加えて、会場で渡すまでに必要な作業も確認しましょう。袋詰め、資料の同封、品物の取り出しなどを接客中に行うと、スタッフが来場者から目を離す時間が増えます。
例えば、受け渡しに伴う作業が1人あたり20秒、配布人数が180人なら、合計は次のようになります。
20秒 × 180人 = 3,600秒 = 60分
これは仮の計算で、商品説明や在庫補充の時間は含んでいません。複数のスタッフで分担した場合も、合計の作業時間として捉えます。実際の品物と包装を使い、取り出して渡すまでの流れを試しておくと、準備の手間を把握しやすくなります。
配布分と補充分を分け、取りに行く回数を考える
すべての在庫を天板に置くと、案内資料を広げる場所がなくなる場合があります。すぐに配る分と補充用の在庫を分け、残数を把握しやすい状態にしておきましょう。
例えば、180個を配る計画で、最初に30個を配布場所に置く場合、補充用は150個です。30個ずつ補充するなら、計画上の補充回数は5回になります。
(180個 − 30個)÷ 30個 = 5回
この数字も運用を考えるための例です。品物の大きさ、天板の広さ、来場者の集中する時間帯に合わせて調整してください。
補充用の箱は、来場者の足元やスタッフの移動経路をふさがない場所に置きます。バックヤードがある場合も、扉の開閉範囲を避け、必要なものを取り出せるか確認しましょう。
なお、カウンターには収納付きのものと、薄型で収納を持たないものがあります。カウンターの内側に在庫を入れられると決めつけず、使用する商品の構造や仕様を確認してください。
6.次回は配り方を1つ変え、配布以外の結果も記録する
変更した条件と、来場者の行動を一緒に残す
ノベルティの種類、配布場所、声のかけ方を一度に変えると、どの変更が結果に関係したのか分かりにくくなります。まずは「受け渡し場所を移す」「袋詰めを事前に済ませる」など、見直す点を1つに絞りましょう。
記録する項目は、出展目的に合わせて必要なものを選びます。
- 確認した時間帯と担当スタッフの人数
- 配布した個数と、受け取った人数
- 商品説明や実演に参加した人数
- 用途や導入条件について相談できた件数
- 補充の回数と、受け渡しを中断した場面
- 混雑状況や来場者層など、比較に影響する条件
1人に複数個を渡す場合は、配布個数と受け取った人数を分けます。実演への参加人数や相談件数についても、同じ人をどう数えるかを担当者間で決め、変更前後で数え方をそろえてください。
特に注意したいのは、配布条件を変えた場合です。例えば「実演の後にだけ渡す」方式にすると、ノベルティを受け取った人の実演参加率は、仕組み上高くなります。それだけで、ノベルティによって実演参加者が増えたとは判断できません。
同じ長さの時間で、ブース全体の実演参加人数や相談件数がどう変わったかも確認しましょう。時間帯や来場者層の影響があるため、1回の比較だけで効果を断定しないことが大切です。
展示会でノベルティの効果がないと感じたら、まずは配布場所と作業の流れを確認してみてください。事業内容を伝える表示、受け渡し用のカウンター、補充在庫の置き場所を整理すると、来場者との会話を妨げている原因を具体的に見直せます。
誉展示会では、ブースの背景装飾や受付に使用する展示会アイテムを紹介しています。来場者が立つ場所とスタッフが動く場所を考えながら、必要なサイズや構成をご検討ください。





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